テーブル天板とは、テーブルの上部にある板のことで、テーブルトップとも呼ばれます。天板の上部の面を天面と呼び、側面の薄い面をエッジや木口と呼びます。テーブル天板は、素材だけでなく、塗装方法やエッジにより様々な特徴を持ちます。テーブル天板と少しでも長くお付き合い頂けるように、選び方のコツや注意点を4つのポイントにまとめましたので、ぜひお役立てください。
ポイント1 性能
テーブル天板選びで最も重要な性能について、作業性、耐久性、耐水性、メンテナンス性の4つの要素からご説明します。
作業性
テーブル天板は様々な種類があり、作業内容によって向き不向きがあります。例えば、マウスを使用する場合、一部の光沢のある天板は、マウスの動作不良を起こす場合があります。テーブル天板で書き物をする場合、木目柄の凹凸で、字がうまく書けない事があります。購入前に作業内容をにリストアップし、適合するテーブル天板を選ぶようにします。商品スペックだけでは判断が難しい場合は、ショップに直接確認しましょう。また、サンプルを入手できれば、実際の使い心地を実感できます。
耐久性
使用目的に応じた耐久性の高い天板を選ぶ事が重要です。使用頻度が高い飲食店の場合、柔らかい樹種の無垢材天板より、耐久性の高いメラミン天板が一般的には適合します。硬度を表す目安として鉛筆硬度が参考になります。鉛筆の濃さが傷つきにくさを表しており9Hが最も硬度が高くなります。天面だけではなくエッジの耐久性にも注意が必要です。エッジの場合は、硬度だけではなく、耐衝撃性が重要となります。天板同士が頻繁に接触する用途の場合、硬度に優れたメラミン天板・共巻エッジより、衝撃吸収による耐衝撃性に優れたソフトエッジの方が長くお使いいただけます。
耐水性
耐水性は、テーブル天板の素材や仕上により大きく異なります。メラミン化粧板や人工大理石は吸水率が非常に低く、水シミや汚れが付きにくい特性を持っています。一方で、未加工の天然石や天然木は、シミや汚れが付きやすい傾向があります。ウレタン塗装は丈夫な塗膜で水に強いですが、内部の木材は水に弱いため、塗膜の傷などに注意が必要です。メラミン天板は、表面は水に強いですが、内部は再生木材のため水の侵入を許すと破損の原因となります。特に、天面とエッジの継ぎ目からの水の侵入に注意し、水をこぼした際にそのまま放置せず、拭き取ることで長持ちさせる事ができます。
メンテナンス性
テーブル天板は種類によりお手入れ方法や使用可能な消毒液などが異なります。メラミン天板やウレタン塗装の天板は特別なお手入れが不要ですが、オイル塗装の無垢材天板はオイルが時間と共に蒸発するため、定期的にオイルを塗り直すことが必要です。また、オイル塗装の無垢材天板は、小さな傷や汚れであればサンドペーパーと再塗装でご自分で補修可能です。アルコール消毒等の薬剤の使用に際しては、天板の耐薬品性に注意が必要です。
ポイント2 意匠とインテリアの調和
意匠とは、素材、色、仕上げ、形状、模様などの見た目を指します。テーブル天板を選ぶ際には、規則や禁止事項などは特にありませんが、インテリアスタイルを意識することで、統一感のある空間を実現できます。インテリアスタイルとは、内装や家具を一貫したテーマやコンセプトに基づいて選び、空間全体に調和と統一感をもたらすデザインアプローチです。業者やショップと、インテリアスタイルを共有する事により、イメージの伝達がスムーズになり商品を探しやすくなります。
北欧・ナチュラル
北欧・ナチュラルは、ミニマルで明るい色合いを基調としたテイストで、自然素材の天然木家具やパステルカラーのファブリック素材が馴染むインテリアスタイルです。
モダン
モダンインテリアは、直線とモノトーンを基調としたテイストで、無機質な素材やレザーを使用した家具が馴染むインテリアスタイルです。
和風・和モダン
和風・和モダンは、障子や畳など伝統的な日本の内装と、ソファや照明などの現代インテリアの要素を融合させたインテリアスタイルです。
インダストリアル
インダストリアルは、鉄やコンクリート等の建築資材をむき出しにした無骨さを基調とし、使い込まれたヴィンテージテイストを融合させたインテリアスタイルです。
クラシック
クラシックインテリアは、重厚感のある装飾的なインテリアが特徴で、こげ茶などのダークカラーを基調とした伝統的なインテリアスタイルです。
色の対比効果
色は、背景色によって見え方が変わるため、ショップで見た印象とお部屋に設置した際に違和感を感じる場合があります。
事前に設置場所との対比を確認しておくと、色感の相違を防げます。
テーブル天板の色は空間全体に影響を与えますが、テーブル天板を使用する際は目線が下を向くため、床色との対比に着目すると良いでしょう。
床色との対比を確認する方法としては、なるべく大きなテーブル天板の色見本を入手して、設置する場所に実際に置いてみることがおすすめです。
サンプルが小さい場合、面積効果という現象で実際より濃く見える事がありますので、なるべく大きなサンプルを入手しましょう。
まずは色の方向性を決め、濃淡の異なるサンプルを複数入手し、順番に置いて比較すると決定しやすくなります。
ポイント3 サイズ
サイズは、使用目的と、設置場所に適したものを選ぶことが重要です。
使用目的は、食事用、ゆったりめ、4人用のように、使用感や使用人数を考慮して検討します。使用感は、体格や感覚など人によって異なる為、家具店やショールームで現物を確認することがおすすめです。
飲食店の業種ごとの適合サイズは、目安寸法が掲載されたプランニングアシストを参考にすると良いでしょう。椅子やテーブル脚が既に決まっている場合は、実際の使用状況を考慮して、収納に支障がないサイズを選ぶことが重要です。
設置場所は、テーブル天板がお部屋の広さに調和するか検討します。家具店やショールームは天井が高く広い場所に展示している事が多く、テーブル天板を小さめに錯覚してしまい、実際に設置してみると思ったより窮屈に感じる事があります。そういった事を避けるために、間取り図にテーブル天板を書き入れてご検討頂くのがおすすめです。ご検討の際は、使用時の動線も一緒に考慮することで、より的確なサイズをお選び頂けます。
関連ページ:
飲食店の椅子とテーブルの寸法
ポイント4 コスト
コストはただ安ければいいわけでは無く、欲しいテーブル天板を適正な価格で購入する事が重要です。コストは、性能や素材の希少価値など様々な要因によって決まるため、高価格の天板が必ずしも高性能ではありません。メラミン化粧板は高価な天然石より耐水性に優れますし、ソフトエッジは高価なアルミエッジより衝撃吸収性に優れています。素材の希少性や性能など、どの要素を優先してテーブル天板を選ぶのか、目的を明確にすることが重要です。
価格検討のコツ
価格検討のコツは、仕様やサイズ、数量などを同じ条件で比べることです。似たような木目のテーブル天板でも、メラミン化粧板、突板、無垢材では、性能を含めて価格は大きく異なるため、見た目だけで判断せず、スペックで比較するようにします。ショップ間で比較する際に、同じ商品か判別できないときは、検討している商品名をショップに伝えるとスムーズに比較検討する事ができます。
テーブル天板は、材料の発注単位が決まっていたり、製造時に端材が出たりするため、材料や端材を効率的に使用できる定番商品が価格的に有利になります。定番商品とは、そのショップで在庫品に限らずサイズオーダーも含めて継続的に販売しているアイテムのことです。商品を探す際は、定番商品から検討するとコスト効率よく探す事ができます。
ショップ選びの重要性
定番商品から欲しいテーブル天板が見つからない場合、特注品の検討が必要ですが、選ぶショップには注意が必要です。特注対応ができないショップもあれば、不慣れなショップでは手違いや高額な料金が発生することもあります。
特注品のショップ選びのコツは、そのジャンルの品揃えが多く、サイズオーダーを得意としているショップを選ぶことです。また、テーブル天板選び全般に言える事ですが、コストを重視するあまり、不良品を購入しては元も子も有りません。不良品のリスクを避けるため、購入前の説明やサンプル提供などのサポートが充実しており、業界での実績や経験豊富なショップを選ぶことが重要です。