スツールとは

スツールには、背もたれの無い小さめの椅子や補助椅子から、座面の高いハイスツールがあります。バースツールなどで、着座面が床面より50㎝を超えたあたりからは、足掛けのステップが必要になります。

目次

スツールとはどんな椅子?

様々な製品がスツールと呼ばれていますが、スツールという言葉は、主に3つの意味で使われています。

  1. 背もたれや肘掛の無い椅子
  2. バーなどにあるカウンター用の椅子
  3. 腰掛(簡易的な椅子)

スツールは(1)の椅子を指すことが殆どですが、たまに(2)や(3)の椅子もスツールと呼ばれます。なぜ数種類の形の椅子をスツールと呼ぶのか、それは英語のStoolと日本に昔からある腰掛に由来しています。

英語のStool

英語圏のStoolには下記の意味があります。(※)

  1. 背もたれや肘掛の無い椅子
    C-602A
  2. バーなどにあるカウンター用の椅子
    M-2

後者は主にバースツールと呼ばれる椅子です。海外のサイトなどでバースツールを見ると、背もたれや肘掛が無い仕様、ある仕様ともに、スツールとしてカテゴライズされている事が確認できます。

※参考文献:竹林 滋,
「新英和大辞典 第6版」,研究社,2002年,2423P

日本の腰掛

腰掛とは日本に昔からある座具の総称です。古来の腰掛に背もたれの付いたものがあり、Chair(椅子)が輸入された明治以降、腰掛とChair(椅子)は同義語になったようです。更に腰掛はStool(背もたれの無い椅子)にあたると考えてよいとも解説されています。

つまり日本の腰掛は、背もたれのある椅子と無い椅子、どちらに対しても使われてきたようです。(※)

※参考文献:秋庭隆,
「日本大百科全書 第9巻 第2版」,小学館,1994年,275P

国や時代によって変化

17世紀頃のヨーロッパでは、スツールとチェア(椅子)は階級・権威によって、はっきりと区別されていたそうです。実用的なスツールに対し、チェアは背もたれ・肘掛のある権力者が権威を示すために座る家具でした。(※)

西洋においてその区別はなくなり、形の違いを示す言葉に変化したようですが、スツールという言葉は、日本独自の枠組みで使用され、現代では様々な製品を指すようになりました。

※参考文献:加藤周一,
「改訂新版 世界大百科事典 第2巻」,平凡社,2007年,277P

様々なスツール

  • スツール

    ヤヤ YAYA

    背もたれ・肘掛のない椅子。座面が高いものから低いものまでスツールと呼ばれます。スチール製の軽く持ち運びしやすい製品から、天然の木で作られた製品など、用途によって様々な意匠があります。

  • バースツール

    リベッティC Rivetty

    バー等のカウンター用に作られた背の高い椅子はバースツール、カウンタースツール、ハイスツールと呼ばれます。昨今ではご家庭のキッチンにカウンターテーブルを作られる方も多い製品です。

  • 背もたれがあるスツール

    CUPPO-BK-B スツール 4本脚 背付 ブラック

    背もたれがある簡易的な椅子、持ち運びに使う取手が背もたれを兼用してる製品や、簡単な背もたれが付いた製品などです。くつろげる大きな背もたれが付いた製品は、スツールとは呼びません。

  • ソファスツール

    スツール D-4503

    クラブ、スナックなどで使われる、総張りの製品をソファスツールやクラブスツールと呼ぶ事があります。水が付いてもふき取りがしやすい合成レザー仕様の人気が高く、キャスター付きの製品もあります。

  • オットマン

    カーディナル オットマン

    ソファにゆったりと腰かけ、脚も上げてくつろぐ際に使用される製品です。ソファに合わせて作られるため、座面はスツールより大きく、高さは低めの製品が一般的です。フットスツールと呼ぶ場合もあります。

便利な機能が付いたスツール

  • スタッキング式・折りたたみ式

    スタッキング式・折りたたみ式

    一時的な待合い用などに使用されることも多いスツール。保管場所を取らないメリットがあります。折りたたみ式は、折りたたんだ時の状態や厚みを確認することが大切です。

  • キャスター付き

    キャスター付き

    病院や介護施設では、メディカルチェアと呼ばれるキャスター付きの製品が利用されています。人の立ち座りが多いクラブやスナックではテーブルからテーブルへの移動がスムーズに行うことができます。

  • 昇降式・回転式

    昇降式・回転式

    オフィス用のスツールや、一本脚のバースツールなどに採用されることの多い機能です。昇降の方式はガスシリンダー式のものが多く、使用したい高さに合わせて無段階で調整可能です。

様々なスツールの素材

  • スチール

    ST-32 スツール

    重量の軽いスツール、オフィス用のスツールなどには、スチール製の脚部がよく使用されます。シルバーメッキが施された製品の他に、マットな質感のブラック、ホワイトの塗装などもあります。

  • ウッド

    ソルドB(プライウッド) SOLDO

    樹種や塗装によって風合いが異なります。無垢材の他に、突板化粧板仕様もあります。塗装の色味は、木の色味をそのまま生かしたクリア色から、重厚感のあるウェンジ色まで様々です。

  • 張地

    スツール D-4564

    水をふき取りやすいのは合成レザー。長時間快適に座っていただくには、座面がむれにくい布地(ファブリック)が適してます。張地に暗い色を選ぶと、汚れの目立ちにくいメリットがあります。

  • ラタン

    ラタンスツール CS-20A

    アジアンテイストの店舗や入浴施設などでは、ラタン(籐)が好まれます。座面はラタン、板座、ウレタン製クッションが付いたものと多様にあり、クッション付きは長時間座りやすいと言えます。

  • 樹脂

    プラカ PLAKA

    ポリカーボネートやポリプロピレンなど、樹脂で作られたスツールは自在に成型できるため、デザイン性の高い製品も多く存在します。木や金属では難しい複雑なカッティングが施された製品もあります。

  • アルミ

    AS200CG スツール

    屋外使用可能な製品に使われることの多い素材。シャープで軽快なイメージと軽くて耐久性が高いという特徴を持ちます。雨水などが溜まらないよう、穴が開けられていたり、隙間を設けた製品もあります。

  • ペーパーコード・ペーパーウィッカー

    DROPスツール

    ペーパーコードは紙で作られた耐久性の高い特殊な素材です。ラタンのような細かな織り上げが可能でありながら、汚れがつきにくい加工が施されており、高い強度を誇ります。自然な味わいが魅力です。