カフェ・レストランに合ったテーブルの選び方

カフェ・レストランのテーブルは、デザインだけでなく、席数、提供する料理、過ごし方、椅子との高さ、素材など、さまざまな要素が関係します。しかも「2人席ならこのサイズ」といった一つの正解があるわけではありません。同じテーブルでも、4人で使えばコンパクト、2人で使えばゆったりした席になります。この記事では、レイアウト・サイズ・高さ・素材を順番に整理しながら、自分のお店に合ったテーブルを考えるための目安をご紹介します。
テーブル選びが重要な理由

カフェ・レストランでは、テーブルのサイズによって確保できる席数が変わり、レイアウトや席同士の距離感は居心地にも影響します。また、椅子に対するテーブルの高さは、食事のしやすさや過ごしやすさに関係します。テーブルは、店内の印象だけでなく、席数や使い勝手、居心地を考える上でも重要な家具です。
エリア分けの考え方

カフェのレイアウトを考える際に、エリアで分けるようにすると、実際の運用をイメージしやすくなります。このエリア分けを、店舗設計ではゾーニングと呼びます。ゾーニングによって、入り口部分やメイン空間の境界線をイメージし、エリアごとに、適切な種類の家具を配置することができます。
下記にカフェ・レストランのゾーニングの一例をご紹介します。入口から奥に向かって家具の高さを低くすることで、視線が奥まで抜けやすく、店内を広く感じさせるレイアウトです。
主なエリアの役割
入口エリア
入口エリアは、外から店内が見えることで店のコンセプトや雰囲気を伝えるきっかけになる場所です。このエリアに人がいることで、店に入りやすい雰囲気が生まれます。入店や退店、会計など人の流れも多いため、スペースを有効に使いやすいカウンター席を設ける方法があります。入口側をハイカウンターにすると、奥に向かって家具の高さを抑えた、奥行きのあるレイアウトもつくりやすくなります。
中央エリア
お一人様からグループまで幅広い客層が利用するエリアです。2人席のテーブルを来店人数に合わせて移動・連結し、多人数席として使用することで、柔軟に対応できます。テーブルを移動・連結して使用するエリアでは、家具を動かしやすい椅子席が適しています。
4人席のテーブルと混在させる場合は、木目方向を揃えると、連結したときにも統一感があります。テーブルを移動・連結して使用する場合は、十字脚など比較的軽量で扱いやすい脚が便利です。実際に当社の販売実績でも、十字脚はカフェ・喫茶店への納入が多く見られます。一方、レストランや居酒屋などでは、角ベース脚など比較的重量があり、安定性の高い脚も多く使われています。
奥エリア
店内で最もプライバシーを確保しやすく、落ち着いて過ごせるエリアです。ボックス席やベンチソファ席などの比較的大きな家具を配置しても圧迫感が出にくく、リラックスできる環境を作りやすいのが特徴です。席数に応じた広さのテーブルを、あまり分割せず配置します。レイアウトを変更する必要が少ない場所では、床固定式のテーブル脚などを採用し、足元をすっきりと納める方法もあります。
テーブル形状とサイズの決め方
テーブルにはさまざまな形状がありますが、代表的なものは丸型と角型です。ここでは、それぞれの特徴を比較します。それぞれに良さがあるため、イメージと運用に合わせて選ぶと良いでしょう。大径の丸テーブルは多人数で使用できますが、サイズが大きくなるほど中央部分に手が届きにくく、同じ人数で使用する角テーブルと比べて広い設置スペースが必要になる場合があります。6人以上で使用する場合は、長方形テーブルなども検討するとよいでしょう。
丸テーブルと角テーブル比較表
| 比較項目 | 丸テーブル | 角テーブル |
|---|---|---|
| 着席位置 | 位置を自由に調整しやすく、3人・5人など奇数人数にも対応しやすい | 着席位置が分かりやすく、対面・横並びなど席を整然と配置しやすい |
| 会話 | 座る人同士の距離や向きが均等になりやすく、複数人で会話しやすい | 対面する相手との会話がしやすい |
| 天板の使いやすさ | 同程度の外寸の角テーブルと比べると、四隅がないため天板面積は小さくなる | 四隅まで使えるため、料理や食器を配置しやすい |
| レイアウト | 着席方向を固定しないため、椅子の位置を調整しやすい | 壁付けやテーブル同士を並べた配置がしやすい |
| 人数変更への対応 | 椅子を追加して人数を調整しやすい | 2人用を連結して4人・6人席などに変更しやすい |
| 周囲の移動 | 角がないため、テーブル周囲を移動するときに圧迫感が少ない | 角部が通路側へ出るため、狭い場所では動線に配慮が必要 |
| テーブルの移動 | 一本脚+丸ベースなどでは、向きを気にせず扱いやすいものが多い | 角ベースの場合、移動時にベースの角が周囲に当たらないよう注意が必要 |
| 向いている使い方 | 会話を楽しむ席、3人など人数が変わりやすい席、柔らかな印象にしたい空間 | 食事をしっかり提供する席、壁際、連結して人数変更する席、空間を効率よく使いたい場合 |
テーブルサイズは、大きすぎると席数を圧迫し、使用人数に対して小さすぎると料理や備品を置くスペースが不足して、窮屈に感じやすくなります。テーブルサイズは、使用人数、テーブルに置く料理や備品の量など、どの程度のゆとりを持たせるかを考えて決めます。提供する料理や必要な備品をおおよその大きさで紙に書き出し、想定するテーブルの大きさに配置してみるのもおすすめです。
配置できたら、注文数が多い場合や追加注文があった場合も想定して、少し余白を持たせます。この余白がテーブルの「ゆとり」になります。ゆとりを持たせると、料理の配膳や食器を下げるスペースを確保しやすく、お客様も窮屈さを感じにくくなります。ただし、広すぎると手が届かず、中央部分がデッドスペースになったり、向かい合う人との距離が遠くなります。
着席位置からテーブル中央付近までの距離も考えながら、必要以上に大きくしないことも大切です。2人席を多めに配置し、来店人数に合わせてテーブルを連結する方法は、席数を柔軟に調整しやすいレイアウトの一つです。一方、テーブルの移動や連結はスタッフの作業が増えるため、家族連れやグループ客が多い店舗では、奥行を揃えた4人席をあらかじめ混在させる方法もあります。下表に、ハストネットの販売実績や実際の使用例などをもとに、テーブルサイズの目安をご紹介します。
角型テーブル(対面使用)の目安サイズ
| サイズ(幅 × 奥行) | 2人で利用 | 4人で利用 | 6人で利用 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| W450~600 × D450~600 | コンパクト | - | - | ハストネットでは、450×450や、W500×D600がよく選ばれています。 |
| W900~1000 × D450~600 | ゆったり | コンパクト | - | |
| W600 × D700~750 | 標準 | - | - | 食事を中心に提供するお店でよく選ばれています。特に人気なのが、W600×D750とW1200×D750を混在で導入する組み合わせです。 |
| W1000~1100 × D700~750 | ゆったり | ややコンパクト | - | |
| W1200 × D700~750 | - | 標準 | - | |
| W1500 × D750 | - | ゆったり | コンパクト | |
| W1800 × D750 | - | ゆったり | 標準 | |
| W600 × D800~900 | ゆったり | - | - | ハストネットでは、奥行900よりも800が多く選ばれています。独立4本脚を使用する場合は、離着席時に脚が干渉しないか確認が必要です。 |
| W1200~1300 × D800~900 | - | ゆったり | - | |
| W1500~1600 × D800~900 | - | ゆったり | コンパクト | |
| W1800 × D800~900 | - | - | ゆったり | |
| W2000~2100 × D800~900 | - | - | ゆったり |
※奥行を統一すると、多人数の来客時にテーブルを連結して対応できます。
※木目方向を合わせると、連結したときの違和感を抑えやすくなります。
角型テーブル(正方形・4名使用時は四辺着座)の目安サイズ
| サイズ(一辺) | 1人で利用 | 2人で利用 | 4人で利用 |
|---|---|---|---|
| 450~550□ | ゆったり | コンパクト | - |
| 600~650□ | ゆったり | コンパクト | かなりコンパクト |
| 700~750□ | - | ゆったり | コンパクト |
| 800~900□ | - | ゆったり | 標準 |
| 1000~1100□ | - | - | ゆったり |
丸型テーブルの目安サイズ
| サイズ(直径) | 2人で利用 | 3人で利用 | 4人で利用 | 5人で利用 |
|---|---|---|---|---|
| φ450~500 | コンパクト | - | - | - |
| φ550~600 | 標準 | コンパクト | - | - |
| φ700~750 | ゆったり | 標準 | コンパクト | - |
| φ800~900 | ゆったり | ゆったり | 標準 | コンパクト |
| φ1000~1100 | - | ゆったり | ゆったり | 標準 |
| φ1200程度 | - | - | ゆったり | ゆったり |
サイズ表はあくまで目安
テーブルの「ゆとり」は、サイズだけで決まりません。同じテーブルでも、何人で使用するかによって感じる広さは変わります。例えばW1000×D700mm程度のテーブルは、4人で食事をすればコンパクトですが、2人で使用すればゆったりと使えます。また、450×450mm程度のテーブルは、2人で使用すればコンパクトですが、1人であればノートPCを置いて使用できる程度の広さがあります。
普段は少人数のお客様にも広く使っていただき、混雑時には本来の定員で使用するなど、席の運用によって快適性と収容力を両立することもできます。そのため、上記のサイズ表は「この人数ならこのサイズでなければならない」というものではありません。提供する料理や備品、求めるゆとり、席の運用などを考慮しながら、ご自分のお店に合ったサイズを検討してみてください。
テーブルの高さは椅子やソファに合わせて考える
テーブルの高さに関するご質問は非常に多く、お客様からも「手持ちの椅子に合うテーブルの高さがわからない」というご相談をいただくことがあります。テーブルの目安高さは、カウンターチェア、ダイニングチェア、ラウンジチェア、ソファなど座る製品によって決まります。ここからは、当社でよく選ばれている組み合わせをもとに、テーブル高さの目安をご紹介いたします。
テーブルの高さ(TH)とは

テーブルの高さ(TH)=天板の厚み+脚仕上げ高さ
テーブルの高さは、「Table Height(テーブル・ハイト)」の頭文字から「TH」と表記します。THは、床から天板上面までの高さで、脚仕上げ高さに天板の厚みを加えた寸法です。脚仕上げ高さは、床から天板を支える部分の上面までの高さをいいます。
カウンター席

カウンターテーブルは、ハストネットの販売実績ではTH1000前後が中心で、なかでもTH1000が最も多く選ばれています。カウンターチェアはSH700~750が中心で、なかでもSH700が最も多く選ばれています。ステップを付ける場合は座面高から450mm程度下がった位置に付けることが多いです。天板と座面高の高低差を差尺と言いますが、カウンター席では、差尺250~300mm程度が一つの目安になります。
テーブル席(一般的なダイニングチェア)

ハストネットでは、ダイニングチェアの座面高はSH430~450がよく選ばれており、全体の80%近くがこのサイズです。なかでもSH450が最も多く選ばれています。テーブル高さは、TH700~730が中心で、なかでもTH700が最も多く選ばれています。テーブル席の差尺は、250~300mm程度が一つの目安とされており、ハストネットの販売実績でも、この範囲に収まる組み合わせが多く見られます。
ソファ席

ソファは、背もたれの角度や座面の奥行、座面高(SH350~450)などが商品によって異なり、合わせるテーブルの高さも目的や用途に応じて幅広く設定できます。下記に目安をご紹介いたします。
TH700~730
食事を重視。背もたれがある程度立った座面高が高めのソファにおすすめです。ダイニング用途に近く、片側をダイニングチェアと合わせるレイアウトも一般的です。
TH600前後
膝をテーブル下に入れやすくなり、テーブルを身体に近づけて使用できます。くつろぎ感を残しながら、軽い飲食もしやすい高さです。
TH500~550
くつろぎながら軽食や飲み物などを取りやすい高さです。膝を天板手前に逃がして使用するため、ソファとの間隔は座面奥行に合わせて調整が必要です。
TH350~400
くつろぎを重視した高さで、ドリンクや軽食を楽しむ席に向いています。膝を天板手前に逃がして使用するため、ソファとの間隔は座面奥行に合わせて調整します。
テーブルの材質はデザインと運用から考える

テーブルは店内でも目に入りやすく、お店の雰囲気を大きく左右する家具です。木の質感を活かしたい、石のような重厚感を出したいなど、まずはお店のコンセプトに合ったデザインを選ぶことが大切です。一方、飲食店では日々の清掃や、傷・汚れへの耐久性など、運用面への配慮も必要です。見た目の好みを大切にしながら、清掃性・耐久性・使い勝手も確認して選びましょう。
運用について
清掃のしやすさ
飲食店では、飲み物をこぼしたり、食べ物で天板が汚れたりすることが日常的にあります。そのため、水拭きなどで簡単に清掃できることは重要です。メラミン化粧板やセラミックなど、表面に水分や汚れが浸透しにくい素材は、日常的な清掃がしやすいのが特徴です。
無垢材や突板については、表面仕上げによって清掃性が異なります。ウレタン塗装されたものは日常的な水拭きもしやすく、飲食店ではよく使用されています。一方、オイル仕上げなど木の質感を活かした仕上げでは、水分や汚れの扱いに注意が必要です。
耐久性
メラミン化粧板は表面の耐摩耗性や耐汚染性に優れ、飲食店でも広く使われています。ただし、強い衝撃によるエッジ部分の欠けや、接合部分から水分が侵入した場合には、膨れなどが発生することがあります。
無垢材や突板は使用に伴って傷や色の変化が生じることがありますが、無垢材などは研磨や再塗装によって補修できる場合があります。セラミックは傷や熱に強い一方、重量が大きくなりやすいという特徴があります。
使い勝手
素材によっては、重量や触ったときの感触、食器を置いたときの音なども異なります。例えば、セラミックや人工大理石などは重厚感を演出しやすい反面、天板重量が大きくなる傾向があります。
無垢材や突板は木ならではの温かみを感じやすく、メラミン化粧板は豊富な柄から選びやすいことも大きなメリットです。デザインだけ、運用だけのどちらか一方で決めるのではなく、お店でどのように見せ、どのように使うのかを考えて選ぶことが大切です。
まとめ
カフェ・レストランのテーブル選びでは、どんなお店にしたいかというイメージを大切にしながら、サイズ・高さ・素材・運用を検討し、実際の店舗設計へ落とし込むことが重要です。ここまで見てきたように、サイズ・高さ・素材といった要素は、席数や居心地に大きく関わっています。テーブルサイズや高さに一つの正解があるわけではありません。提供する料理、使用人数、席数、使い勝手などを一つずつ検討しながら、自店にとってちょうどよいところを探していきましょう。
