真夏のテラス家具における素材・色別の表面温度比較

真夏のテラス席で直射日光にさらされた家具は、表面温度が大きく上昇し、お客様が着席を躊躇したり思わぬ火傷のトラブルに発展したりする危険があります。設置環境に合わせて「どの素材、どの色を選べば良いか」を明確にするため、業務用テラス家具のカラーサンプルを用いて表面温度を計測し、比較検証しました。
表面温度の比較実験
素材や色の違いによる熱特性を比較するため、以下の条件で実験を行いました。
実験の概要と検証環境

日時・天候
2026年7月22日 10時~13時・晴れ(外気温:36℃)
設置条件
地面からの熱影響を排除するため、樹脂製の台に乗せた発泡スチロール板の上に各サンプルを配置
設置場所・比較方法
直射日光が当たる「日向」と、完全な「日陰」の2箇所に同一サンプルセットを同時に設置
計測方法
上記の環境下にサンプルを3時間放置したのち、赤外線温度計を用いて各サンプルの表面温度を記録
日向と日陰における表面温度の比較
日向と日陰にそれぞれ3時間設置した後の、表面温度の計測結果は以下の通りです。
| 素材 | カラー | 日向での表面温度 | 日陰での表面温度 |
|---|---|---|---|
| アルミニウム | シルバー | 49.9 ℃ | 35.1 ℃ |
| アルミニウム | ブラック | 57.2 ℃ | 35.1 ℃ |
| スチール | シルバー | 51.8 ℃ | 35.6 ℃ |
| スチール | ブラック | 55.0 ℃ | 35.6 ℃ |
| ポリプロピレン | ホワイト | 41.5 ℃ | 35.0 ℃ |
| ポリプロピレン | レッド | 47.8 ℃ | 34.9 ℃ |
| ポリプロピレン | ブラック | 57.4 ℃ | 35.0 ℃ |
| 人工ラタン | ホワイトグレー | 45.9 ℃ | 34.5 ℃ |
| 人工ラタン | ナチュラル | 52.6 ℃ | 35.0 ℃ |
| 人工ラタン | ダークブラウン | 57.8 ℃ | 35.1 ℃ |
| 人工ラタン | チャコール | 52.9 ℃ | 35.1 ℃ |
| 天然チーク材 | ナチュラル | 43.0 ℃ | 35.1 ℃ |
※今回の検証は、特定の気象条件下でカラーサンプル用の薄型プレートを用いて計測したものです。実際の家具では、形状や厚み、風通し、日照条件などによって表面温度が異なる点にご留意ください。なお、本検証は同一条件下での参考測定です。赤外線温度計の特性上、素材の放射率や表面の光沢などによって測定値に誤差が生じる場合があります。
実験結果から解る素材と色の傾向

同一素材の色の違いで表面温度に差が見られた
今回の実験では、素材の違いだけでなく、同じ素材でも色によって温度差が生じることが確認できました。
樹脂のホワイト(41.5℃)や人工ラタンのホワイトグレー(45.9℃)など、「白系色」は太陽光を反射しやすいため、急激な温度上昇が抑えられる傾向が見られました。
一方で、光を吸収しやすい「黒系色」は素材を問わず50℃を超える温度まで上昇しました。テラス席が直射日光にさらされる環境では、素材選びの前に「色の選定」が極めて重要だということが分かりました。
チーク材の安定性
今回の実験では、チーク材は日向でも43.0℃にとどまり、金属類より低い表面温度を示しました。天然木は熱伝導率が低いため、数値以上に触ったときの熱さが和らぎます。
「表面温度」と「体感の熱さ」の違い
表面温度は色や日射条件、素材の特性などによって異なります。一方、触れたときの熱さは素材の熱の伝わりやすさにも左右されるため、同じ表面温度でも金属は熱く感じやすく、木材や樹脂は比較的熱く感じにくい傾向があります。
テラス家具の素材・色の選び方
実験結果を踏まえ、店舗の運用スタイルに合わせた最適な選び方をまとめます。
熱を抑えるなら「白系色」か「チーク材」
真夏の日中に直射日光下でテラス席を運用する場合は、熱を溜めにくいホワイトをはじめとする明るいトーンや、断熱性の高いチーク材が有効です。
なお、チーク材は日差しや雨の影響で徐々にシルバーグレーへ変化するため、天然木特有の風合いとして楽しむか、定期的なオイルメンテナンスで色味を維持するか、店舗の運用方針に合わせて選定するのがおすすめです。
「黒系色」は配置環境を考慮
ブラックやチャコールなどのダークトーンは日差しを吸収して高温になりやすいため、直射日光が当たり続ける場所への配置は避けるのが無難です。
まとめ
店舗のテラス家具選びは、設置場所の日照環境に合わせて色ごとの温度変化を把握し、安全で快適な空間をつくることが大切です。
真夏の直射日光が当たる環境であれば熱を抑えやすい白系色やチーク材を検討し、黒系色を取り入れる場合は日陰になるレイアウトを意識するなど、店舗の環境や運用に合わせた配慮が欠かせません。お客様の居心地や安全に関わるポイントを整理し、自店に最適なテラス家具を選んでいきましょう。
